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本と音楽とねこと

物象化──承認論からのアプローチ

アクセル・ホネット(辰巳伸知・宮本真也訳),2011,物象化──承認論からのアプローチ,法政大学出版局.(5.20.24)

 これが講義録とはにわかには信じがたい、抽象的、思弁的な考察が続く。

 ルカーチが考えた物象化は、人間が損得勘定だけで関わり合う資本主義社会、ゲゼルシャフトのなかで、人が経済的利得のための道具、手段──あたかもモノのように扱われることを意味するが、ホネットは、物象化を、もっと広く「承認の忘却」によってもたらされると考える。

 わたしは、「承認の忘却」、物象化としての虐待、暴力と、解離、自傷行為との関連をつきとめたく考えているが、難しい課題だ。

批判理論の伝統において、今日まで未解決のテーマに挑んだ講義録。“物象化”概念をめぐるルカーチ以来の議論を跡づけた訳者の「解説1」、J.バトラー、R.ゴイス、J.リアの批判と、それに対するホネットの反批判をも紹介した「解説2」を付す。

目次
第1章 ルカーチにおける物象化
第2章 ルカーチからハイデガー、デューイへ
第3章 承認の優位
第4章 承認の忘却としての物象化
第5章 自己物象化の輪郭
第6章 物象化の社会的起源


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